ドイツのメンヒェングラートバッハ（Mönchengladbach）の方言の紹介。
この街の高齢者の間で使われているレアなフレーズである。
Lott jonn. (Let's start.)
メンヒェングラートバッハは、ドイツの中央西部、西の端っこに位置する都市である。
ノルトライン＝ヴェストファーレン州メンヒェングラートバッハでは、ニーダーフランケン語（Niederfränkisch）の南フランケン語（Südniederfränkisch）が話されている。Deutsche Dialekte – Wikipediaによれば、ノルトライン・ヴェストファーレン州では30〜40%の人がこの方言を話せるようだ。
わかりやすく図式化すると、以下のようになる。
インド＝ヨーロッパ語族ゲルマン語派―西ゲルマン語群ー高地ドイツ語―西中部ドイツ語―中部ドイツ語―中部フランケン語―南フランケン語
南フランケン語（Südniederfränkisch）とは
Das Südniederfränkische wird heute in den Niederlanden (Niederländisch-Limburg), Belgien (Belgisch-Limburg und nordöstlich von Lüttich) und im angrenzenden Deutschland (Nordrhein-Westfalen rund um die Städte Heinsberg, Mönchengladbach, Düsseldorf, bis Krefeld und Neuss und im Süden von Duisburg) gesprochen.
（訳）南フランケン語は今日、オランダ(オランダ語のリンブルフ州)、ベルギー(ベルギーのリンブルフ州、リエージュの北東)、および隣接するドイツ(ノルトラインヴェストファーレン州、ハインスベルク、メンヒェングラートバッハ、デュッセルドルフ、クレーフェルトとノイス、デュースブルクの南)で話されています。（Südniederfränkisch – Wikipediaより引用）
ニーダーフランケン語（Niederfränkische）の特徴
Die niederfränkischen Dialekte nehmen innerhalb des deutschen Sprachraums aus soziolinguistischer und historiolinguistischer Sicht eine Sonderstellung ein. Obwohl diese Dialekte Standarddeutsch als Schrift- und Kultursprache benutzen und deswegen als deutsche Dialekte zu betrachten sind, entstanden diese Sprachvarietäten nicht aus dem Althochdeutschen oder Altniederdeutschen, sondern aus dem Altniederländischen.
ニーダーフランケン方言は、社会言語学的および歴史的言語学的観点からドイツ語圏内で特別な位置を占めています。これらの方言は標準ドイツ語を書面および文化言語として使用するため、ドイツ語の方言と見なされますが、これらの言語の種類は古高ドイツ語または古低地ドイツ語ではなく、古オランダ語に由来します。（Deutsche Dialekte – Wikipediaより引用）
＜2023.5.17追記＞
南フランケン語に関する情報は、極めてレアである。なぜなら、Kičmerová(2016)によれば、方言としての南フランケン語に関する文献はほとんどなく、南フランケン語を調べるにはフランケン語の言語領域全体を扱い、南フランケン語を他のフランケン語と区別する必要があるとのことだ。また、南フランケン語はアマレン語との共通点が多くあるため、南フランケン語とフランケン語の比較はしない。
参考文献：Kičmerová,Denisa(2016)Das Badische. Zwischen Alemannisch und Fränkisch.
Bakalarska_prace_Kicmerova-1.pdf (muni.cz)
南フランケン語のミニミニ単語集のサイトも発見した。
